3行でまとめると…
- でんさい割引は審査の結果で割引可否や割引料が決まる##first
- 原則としてでんさい割引は中途解約ができない##second
資金繰り改善ならまずは支払い.com 。手数料4%・審査なしで支払いを最長60日先延ばし!
紙ベースにおける従来の企業間取引では、迅速に資金を得ることは難しいのが実情でした。手形を用いた取引では受取人側に生じる負担が大きいことから、政府や産業界、金融界が主導となり、2026年までに「紙による手形・小切手の廃止と電子化」が推進されている現状もあります。
ゆえに、「ファクタリング」や「でんさい」といった取引形態が徐々に浸透しつつあるといえるでしょう。この記事では、その中でも「でんさい割引」について、資金調達の手段およびファクタリングとの違いという側面から解説します。
監修者
寺田真之公認会計士・税理士事務所、合同会社HAKU代表。公認会計士・税理士として、多種多様なクライアントの税務を支援。大手会計事務所での上場企業の対応経験から個人の申告まで業種問わず幅広く対応し、税務申告に関しては独立以後延べ1,000件以上の申告を行う。
【保有資格】
・税理士(登録番号:140541)
・公認会計士(登録番号:36029)
【経歴】
・東京理科大学工学部 卒業
・2013年〜2019年:KPMGあずさ監査法人にて会計に携わる
・2019年〜2023年:BlueWorks株式会社 代表取締役、税理士法人BlueWorksTax 社員税理士
・2023年〜:現職
でんさい割引とは?
でんさい割引とは、取引を行う支払企業と受取企業間にそれぞれの取引金融機関、および「でんさいネット」が介入し、支払期日前に受取企業が資金を調達できるシステムを指します。まずは、「でんさい」と「でんさい割引」の概要についてそれぞれ見ていきましょう。
でんさい割引とは?
でんさいとは、電子記録債権のこと
「電子記録債権」の略称として、「でんさい」という文言が用いられています。電子記録債権とは、従来の手形や売掛債権の課題を克服した金銭債権です。主として中小企業における資金調達の円滑化を目的とし、2008年12月に「電子記録債権法」として施行され、各所で利用されています。2023年10月現在、でんさいに参加している金融機関は全国で495となっており、2023年8月31日時点での全国における金融機関数が1,415であることから、約3分の1に及ぶ金融機関にて導入されていることがわかります。
でんさい割引とは
企業間取引において発生した「でんさい」に基づき、受取企業側が金融機関や手形割引業者に割引依頼を行います。この手続きを経て、支払期日までの手数料を控除したうえで「でんさい」を現金化できるシステムが「でんさい割引」です。従来の手形を使った手続きでは迅速な現金化が困難であったため、資金調達方法として受取企業に寄り添った内容となっています。なお、詳細については後述しますが、「でんさい割引」の手続きに際しては金融機関や割引業者の審査が必要です。審査によっては利用不可となるケースもあるためご注意ください。
電子記録債権取引の仕組みについて
ここで、でんさい(電子記録債権)を活用した取引について、従来の取引とはどのように仕組みが異なるのかを確認しておきましょう。
まず、従来の取引、つまり「手形を使った紙ベース」の取引について、これは「指名債権譲渡の簡易化」を目的として誕生した取引方法です。手形取引の誕生により、「取引先への内容証明郵便による通知」や「取引先からの承諾取り付け」といった手間が省かれました。しかし、紙ベースの取引には「盗難や紛失」といった管理上のリスクが常に存在するため、この弱点を克服できる新たな取引方法が模索されていた背景があります。その結果として生まれたのが、「電子記録債権取引」なのです。
電子記録債権取引においては、債権の発生から消滅までが完全に電子データで完結します。ゆえに、従来の取引で想定されていたリスクの排除が可能となりました。また、電子データといっても財産価値は従来の手形と変わらない点もポイントです。
でんさい割引の特徴
でんさい割引には、手形取引とは異なる特徴がいくつか備わっています。代表的な3つの特徴について見ていきましょう。
でんさい割引の特徴
印紙代が不要
手形取引においては、額面金額に応じて以下のような収入印紙の貼付が必要です。
額面記載金額 | 印紙代 |
10万円未満 | 非課税 |
10万円以上100万円以下 | 200円 |
100万円超え200万円以下 | 400円 |
200万円超え300万円以下 | 600円 |
300万円超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円超え1,000万円以下 | 2,000円 |
一方で、でんさいでは印紙代が不要なため、手形取引に要していたコストが一切かかりません。手形取引の多い企業がでんさいを活用した取引に切替を行えば、コスト削減を実現できるでしょう。
分割支払いが可能
手形取引の場合、あらかじめ企業間の合意を取ったうえで手形を分割できます。そうすることで、「少額手形の形成による裏書または割引が可能となる」「印紙税額を抑えられる」という2つのメリットがあるのです。しかし、「あらかじめ企業間の合意を取ったうえで、手形の額面金額を決定する必要がある」ため、手続きには時間がかかります。
一方、でんさいでも必要額だけ分割可能ですが、その流れは以下の通りです。
- 譲渡人による、インターネットバンキングなどを通じた金融機関への分割・譲渡記録請求
- でんさいネットから譲受人へ、分割・譲渡記録請求が実行された旨が通知
企業間にでんさいネットと金融機関が介入することで、取引の煩雑さが大幅に減少することになります。
手形取引と同様に割引が可能
金融機関や手形割引業者に依頼すれば、手形取引でも期日前の資金化は可能です。しかし、「企業間で手形取引を行っていることが前提となる点」および「すべき手続きが多く、迅速な資金化ができない点」が課題でした。でんさいでは、手形取引における資金化の場合に要していた時間を大幅に短縮可能です。最短で、即日現金化もできます。
割引(現金化)が可能な点は、手形取引もでんさいも同様ですが、そのスピード感において大きな違いがあるのです。
でんさい割引利用の流れ
続いて、実際にでんさい割引を利用するにあたって必要となる手続きの流れや手数料、およびでんさい割引を利用できる金融機関について解説します。
でんさい割引利用の流れ
申し込みから受け取りまで
前提として、でんさい割引の利用には事前登録が必要です。本人確認書類や代表者の印鑑証明書など必要書類を初回利用時に提出のうえ、登録を行いましょう。
登録後、取引金融機関所定の申し込み方法に則り、電話やWebフォームから申し込みを行います。金融機関によりバラつきはありますが、短時間で審査と審査結果の通達が行われ、審査に通過した場合は受け取れる金額の見積もりも伝えられます。受け取り金額に問題がなければ伝達される必要情報(利用者番号、銀行名、支店名など)をインターネットバンキングなどに登録しておきましょう。
その後、譲渡記録請求を経て、割引された代金が指定の口座に入金される流れとなります。
でんさい割引にかかる手数料について
でんさい割引の利用に際しては、「割引料」と「手数料」の2種類が必要となるケースがあります。金融機関や手形割引業者によって設定率はまちまちで、手数料がかからないケースもあるようです。
大まかな割引料の相場としては、金融機関の場合で1.5〜5.5%、手形割引業者の場合で3.0〜15.0%とされています。でんさい割引を利用する際には、あらかじめ取引金融機関の設定している「割引料」と「手数料」を確認しておきましょう。
でんさい割引を利用できる機関
2023年10月現在、でんさいネットに加入している金融機関であればでんさい割引を利用できます。都市/信託銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合・JA/信連/農中・その他機関合わせて495の機関にて利用可能です。
また、でんさいネットと提携している他の「電子債権記録機関(提携記録機関)」で発生させたでんさいであれば、「特定記録機関変更記録」を行うことで、でんさいネットにて利用できます。なお、この場合、でんさい割引の取り扱い可否については参加金融機関ごとに異なるためご注意ください。
でんさい割引を利用する際の注意点
でんさい割引の利用にあたっては、あらかじめ把握しておきたい注意点があります。ここで紹介する4点については忘れないようにしておきましょう。
でんさい割引を利用する際の注意点
買戻しとなるケースがある
金融機関や手形割引業者に譲渡することで迅速な現金化が可能なでんさい割引ですが、以下2種類のケースにおいては譲渡側企業がでんさいを買い戻さなければなりません。
- でんさい発行人が支払い不能に陥った場合
- でんさい発行元企業が倒産した場合
買戻しとはこの場合、手形取引と同じく、でんさいの譲渡側企業が譲受側企業に代わって保証人となり、支払い義務を負うことを意味します。
PC操作が必須
電子データによる取引であるため、PC(あるいはスマートフォン)によるオンライン上の操作が必須です。従来型の紙取引に慣れている企業の場合、取引がオンライン上で完結する環境には不慣れかもしれません。そのような場合は、取引金融機関の相談窓口にサポートの有無を尋ねてみましょう。金融機関によっては、操作のサポートを行ってくれるケースもあります。
なお、でんさいネット公式HPにて「でんさい参加金融機関」の一覧を確認できますが、こちらのページから当該金融機関のHPに遷移することで、各金融機関におけるでんさい取引のデモ画面や操作体験ページを確認可能です。
中途解約は不可
資金に余裕ができたため、でんさい割引後に中途解約のうえで買戻しを行いたいケースがあるかもしれません。しかし、原則としてでんさい割引における中途解約は不可となっています。これは、割引後のでんさいが金融機関や業者に譲渡されるためです。
なお、でんさいを現金化した債権者の同意がある場合に限り、手数料を支払ったうえで中途解約可能なケースもあります。
譲渡先におけるでんさい利用が前提となる
でんさい取引の前提として、譲渡先企業がでんさい受け取り用の口座を開設し、登録していることが必要です。でんさい用口座の開設から登録まで、長くて1カ月程度を要する場合もあるため、でんさい取引を検討している企業に対してはあらかじめ相談しておくことをおすすめします。
でんさい割引とファクタリングの違い
ここからは、資金調達の方法として挙げられるファクタリングとの違いについて、その概要やそれぞれのメリット・デメリットも含めて解説します。
でんさい割引とファクタリングの違い
ファクタリングとは
企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金を調達するサービスを指します。手数料を支払うことで、期日前に債権の現金化を行えるというメリットは、でんさい割引と同様です。
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。それぞれの特徴については、以下の表をご覧ください。
2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング | |
手数料 | 高い傾向にある | 安価な傾向にある |
取引の関係性 | ファクタリング会社のみとの手続きとなるため、取引先企業に知られない | 取引先企業を含めた手続きとなるため、ファクタリングの利用を取引先企業に知られる |
手続きの難易度 | 簡易的かつ迅速である | 複雑かつ長期化するケースがある |
ファクタリングが2社間か3社間かで手数料は異なりますが、一般的な相場としては2社間の場合で10〜20%、3社間の場合で1〜10%とされています。手数料が高くなれば受け取れる現金は減るため、あらかじめ確認しておくことが重要です。
また、ファクタリングの利用に際して必要となる書類はおおむね以下の通りとなっています。
- 登記簿謄本(法人)
- 身分証明書
- 印鑑証明
- 決算書や確定申告書類
- 入金の確認ができる通帳
- 売掛債権を証明できる書類(請求書など)
- 取引先との基本契約書
保証有無の違い
でんさい割引とファクタリングとでは、支払側企業が債権の支払い不能状態に陥った際の受取側企業における対応が異なります。その理由として挙げられるのが、支払い不能となった債権について「どの企業が責任を負うか」がでんさい割引とファクタリングで違う点です。
でんさい割引の場合、仮に支払側企業が支払い不能状態となった時、受取側企業が保証人となって支払いを行わなければなりません。
一方、ファクタリングでは、ファクタリング会社が責任を負うことになるため、受取側企業に弁済義務が生じることはないのです。
でんさい割引は、企業間取引において間に金融機関とでんさいネットが介入しているものの、システムとしては2社間の取引であることに変わりありません。ゆえに、従来の手形取引と同様に、受取側企業が支払い義務を負うことになるのです。
ファクタリングにおいては、企業間取引においてファクタリング会社が間に介入しています。そして、支払い不能となった債権の保証もファクタリング会社が負うシステムとなっているため、受取側企業に責任が生じることはない、ということになるのです。
利用ネットワークの違い
でんさい割引は、でんさいネットを通じてオンライン上で取引が完結するシステムです。そのため、企業間ででんさいへの登録が済んでいれば、場所を問わず迅速に資金化が可能となります。
一方で、ファクタリングの場合は個々のファクタリング会社と契約を結ばなければなりません。取引先が増えれば、その都度、別のファクタリング会社と契約を結んで資金化につなげなければいけないことになるのです。
でんさい割引のメリットとデメリット
でんさい割引とファクタリングにおける代表的な違いは前述した2点ですが、他にも、それぞれのメリット・デメリットが存在します。まずはでんさい割引のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
<でんさい割引のメリット>
- 手数料が安価
ファクタリングの利用に比べると、でんさい割引にかかる手数料は安価です。手形割引業者を利用する場合は15.0%程度までかかる場合もありますが、金融機関を通じて利用する場合は1.5〜5.5%が相場となっており、受け取れる現金の割引率は少なくて済みます。
- オンライン操作に慣れていれば手続きが簡易的
でんさい割引の手続きは各企業の取引金融機関とでんさいネットを通じて行いますが、取引がオンライン上で完結するため、PCやスマートフォンの操作に慣れていれば簡単に手続きを進められます。また、でんさいネットに登録済みの企業同士であれば、新規の取引であっても改めて手続きを行う必要がない点もメリットの1つです。
<でんさい割引のデメリット>
- でんさいネットの普及率
でんさいネットの統計資料によれば、2017年3月時点の中小企業におけるでんさい発生記録請求件数が52.2%だったのに対して、2022年3月時点の件数は60.0%と増加傾向にあることが分かります。
しかし、特に中小企業におけるでんさいネットの普及率については、「取引先のでんさい導入率が低い」「取引先の希望」などの理由から導入に踏み込めないケースが多いようです。
今後、さらにでんさいネットの普及は増加していくことが期待されているものの、より積極的な働きかけが必要な状況といえるでしょう。
- 審査が必要
でんさい割引の利用に際して行われる審査は、割引を利用する企業の経営状態を見たうえで行われます。そのため、審査難易度としては銀行からの融資と同等前後くらいと考えておいた方がよいでしょう。仮に経営状態が悪化しているようであれば、でんさい割引の利用を断られる恐れもあります。
ファクタリングのメリットとデメリット
続いて、ファクタリングにおけるでんさい割引と比較したメリット・デメリットについても見ていきましょう。
<ファクタリングのメリット>
- 売掛債権があれば利用可能
でんさいネットへの登録などは必要なく、ファクタリング会社との契約および売掛債権があれば利用可能です。でんさい割引に比べると、利用に際しての自由度の高さはメリットとして挙げられるでしょう。
- 担保や保証人が不要
仮に、支払側企業が支払い不能状態に陥ってもファクタリング会社が責任を負う点は前述しましたが、加えて、ファクタリングの利用に際しては担保や保証人も原則としては必要ありません。
- 取引先に知られない可能性
2社間ファクタリングを利用する場合に限りますが、実質的に取引を行うのは受取側企業とファクタリング会社のみとなります。そのため、取引先企業にファクタリングの利用を知られることなく、資金調達を行うことが可能です。ファクタリング利用による資金調達に良いイメージを持たない企業も存在するため、信用情報の維持という側面においてもメリットがあるといえるでしょう。
<ファクタリングのデメリット>
- 手数料が高め
ファクタリング会社は、万が一、取引先企業が支払い不能状態に陥った際にはその責任を負うことになります。そのため、でんさい割引に比べて手数料は高めです。
- 取引先に知られた際のリスク
取引先によっては、債権の譲渡を禁止しているケースがあります。仮に、ファクタリング利用をそのような取引先に知られてしまった場合は契約違反と捉えられ、今後の取引に悪影響を及ぼす恐れがある点にご注意ください。
- 場合によっては審査基準が厳しい
でんさい割引に比べると審査は緩めの傾向にありますが、「取引先との入金実績」など、ファクタリング会社における慎重な調査が行われます。そのため、「新規の取引における売掛債権」については対象外となるケースもあり、必ずしも審査が緩いとはいえない側面もあるのです。
- 手続きが複雑
3社間ファクタリングの場合は、取引を行う企業とファクタリング会社の3社で通知や承諾といった手続きが必要になります。また、新規取引先との手続きにおけるファクタリング利用では、新しくファクタリング会社と契約を結ぶ必要もあるため、手続きが煩雑になりやすい傾向にあるのです。
でんさい割引とファクタリングの審査基準
でんさい割引とファクタリングに際しては審査が必要となります。詳細な審査基準については公開されていませんが、両者の審査における違いについて確認しておきましょう。
でんさい割引とファクタリングの審査基準
でんさい割引の場合
でんさい割引の利用に際しては、利用するのが金融機関か手形割引業者かで見られる基準が異なるようです。金融機関を利用する場合は債権者情報を、手形割引業者を利用する場合は債務者情報を詳細に見られます。また、取り扱いとしては融資とほぼ同等になるため、ファクタリングに比べて審査基準は厳しめです。
ファクタリングの場合
ファクタリングでも審査が行われる点は同様ですが、審査の際に重要視されるのは申し込み企業ではなく支払企業の信用力です。仮に、自社の経営状態が悪く、一刻も早く資金調達を行いたいという場合はファクタリングを利用したほうが審査に通りやすいかもしれません。
でんさいネットとは
ここまで、ファクタリングとの違いも含めたでんさい割引の特徴について解説してきました。その中で「でんさいネット」という機関についても言及してきましたが、どのような機関なのかについて紹介します。
でんさいネットとは
でんさいネットの概要
でんさいネットは通称で、正式な名称を「株式会社全銀電子債権ネットワーク」といいます。2010年6月8日に設立された企業で、一般社団法人全国銀行協会の100%子会社です。サービスの提供が開始されたのは2013年2月18日からとなっています。
でんさい割引自体はその他の金融機関でも実施されていましたが、銀行間の垣根を越えて全国的にサービスの提供を行える機関として誕生したのがでんさいネットなのです。
でんさいネット導入の事例紹介
2022年12月28日時点で、でんさいネットを活用している企業は132社に及びますが、その中でも中小規模の企業2社について、導入事例を紹介します。各事例については、でんさいネットを参照のうえ記載しています。
参考:利用企業一覧
- 株式会社カシムラ
東京都に本社を置く、自動車用品や携帯電話のアクセサリー製造・販売を事業とする会社です。でんさいセミナーへの参加を機に利用を検討していましたが、当初は支払先企業におけるでんさい導入が進んでいませんでした。大口の取引先からでんさい受取依頼を受けたのを機に、各支払先・取引先に再度でんさい導入を勧め、手形取引からでんさい取引に変わっていった経緯があります。コスト面、事務処理面における効果を実感しており、2017年時点ではでんさいの分割譲渡利用がほとんど、まれに支払としてでんさいが発生しているとのことです。
- 株式会社海田金属
広島県に本社を置く株式会社海田金属では、金属加工事業を展開しています。取引金融機関からの説明を機に、でんさい導入を検討し、金融機関担当者によるサポートもあり、スムーズに導入できたとのことです。導入後は業務負担の軽減とコスト削減、必要な分だけ分割譲渡が可能となり、仕入代金の売払と売上代金の回収ともに6割以上がでんさいとなりました。
新しい資金調達の手段「支払い.com」をご紹介!
資金調達方法としては、でんさい割引やファクタリングが代表的ですが、資金繰り改善の手段としては「支払い.com」の利用を検討してみてもよいでしょう。
本来、請求書支払いで支払うべき請求を、クレジットカード決済に変更して支払期日を延長できるサービスです。審査・担保は不要で、所定のクレジットカードさえあれば「最大60日間支払い期限を延長可能」となっています。
手数料は一律4%となっており、ファクタリングやでんさい割引よりも安価で利用可能なケースがほとんどです。振込先に「支払い.com」の利用を知られる心配もないため、信用情報への影響を懸念する必要もありません。資金繰りに困ったら、「支払い.com」の利用をおすすめします。
まとめ
でんさい割引は、従来の手形取引で懸念されていた点を克服し、でんさいネットを通じて全国ネットワークで利用できる優れた資金調達方法です。もちろん、審査や普及率など注意点や、今後の成長が期待される点もありますが、政府主導で手形取引の廃止が推進されている現状もあるため、さらなる拡大が見込める手法といえるでしょう。自社に合った資金調達方法を見定め、資金繰り改善・向上に努めていくことが重要です。
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例:期限が12月31日の支払いが200万円あるが、手元の現金では支払えそうにない…
- 12月29日までに支払い.comで振込情報を登録。12月31日までに取引先へ振込が行われます。
- この時点で200万円+手数料4%のカード決済が発生しますが、
- ご利用のカードが毎月15日締め、翌月末日払いだとすると、カード利用金額が引き落とされるのは2月28日になります。
- つまり、銀行振込の場合に比べ、口座から現金が減るのを約2ヶ月間先延ばしできたことになります。(12月31日→2月28日)
※ここでは休日・祝日は考えないものとします。
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資金繰り改善としてファクタリングがありますが、支払い.comとファクタリングは全く異なる仕組みのサービスです。
- 支払い.com:支払いを遅らせる
- ファクタリング:入金を早める
支払い.comとファクタリングの違いをまとめると、以下の通りです。
支払い.com | ファクタリング(例) | |
---|---|---|
資金繰り改善の仕組み | 支払いを遅らせる | 入金を早める |
手数料 | 4% | 15% |
利用可能額 | 1万円〜上限なし | 50万円まで |
審査 | 審査なし | 審査あり |
必要書類 | 書類提出なし | 決算書など |
カード利用 | 可能 | 不可能 |
取引先への通知 | なし | あり(三者間の場合) |
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