法人カードの審査では、代表者個人のクレヒスも審査の対象になるといわれています。代表者のクレヒスに返済の遅延や滞納があった場合は、法人カードの審査に影響する可能性があるため、クレヒスが気になる方は、法人カードを申し込む前に確認しましょう。
自分のクレヒスは、信用情報機関に申請すれば閲覧可能です。信用情報の確認方法もあわせて紹介します。
【監修者コメント】
個人のカードと異なり、法人カードでは主に代表者のクレヒスと会社の経営状況・財務状況の両方が審査に影響する可能性があります。会社の経営が順調でも代表者の信用情報に延滞などの事故情報が残っていると審査に悪影響を与える可能性が高いです。法人カードを作る前に事業の業績をアップさせることはもちろん、クレヒスに傷がつかないように細心の注意を払って普段の支払いを確実にこなすことが大切です。
目次
クレヒスとは「クレジットヒストリー」の略であり、クレジットカードやカードローンの利用に関する次のような情報を指します。
クレヒスは信用情報機関に登録されています。信用情報機関とは、個人の支払い能力に関する情報を収集・提供している機関です。クレジットカードなどの申し込みをした際、金融機関が信用情報機関に情報を照会して審査します。
主な信用情報機関は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの3つが挙げられます。信用情報機関は「信用情報機関に登録されている情報 」で詳しく解説しているため、ご覧ください。
クレジットカードのブラックリストとは、信用情報機関で管理されているクレヒスに、支払いの遅延などの事故情報が記録された状態のことを指します。クレジットカードの支払いに遅れると「ブラックリストに登録された」と聞いたことがあるかもしれませんが、ブラックリストと呼ばれる帳簿は実在しません。
法人カードの審査は、個人のカードと同様に明確な審査基準はありませんが、主に代表者のクレヒスや会社の経営状況、財務状況などが影響すると考えられます。会社の経営が赤字でも、代表者個人のクレヒスに返済遅延や滞納などの履歴がなければ、法人カードを発行できる可能性があります。
具体的にどのような項目が審査に影響するかは「法人カードの審査で重視されるポイント」で紹介しているため、ご覧ください。
信用情報機関(CIC・JICC)に登録されている情報を紹介します。
CICに登録されている信用情報は、次の3種類で構成されています。
- 申込情報:クレジットカードやローンを申し込んだ際にクレジット会社などが審査のために確認した信用情報
- クレジット情報:クレジットカードやローンなどの契約内容や支払い状況、残高などの情報。契約締結後に登録される
- 利用記録:クレジットカードやローンなどの利用状況や返済状況を調査するためにクレジット会社などが確認した信用情報の記録
それぞれの詳しい情報項目や保有期間は、下の表をご確認ください。
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信用情報の種類 | 主な情報項目 | 保有期間 |
申し込み情報 | 申込者を識別する情報 ・氏名 ・生年月日 ・郵便番号 ・電話番号 など | クレジット会社などが照会した日から6ヵ月間 |
申込内容に関する情報 ・照会日 ・商品名 ・契約予定額 ・支払予定回数 ・照会会社名 など |
クレジット情報 | 申込者を識別するための情報 ・氏名 ・生年月日 ・性別 ・住所 ・電話番号 ・勤務先名 ・勤務先 ・電話番号 ・公的資料(運転免許証、パスポートなど) | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
契約内容に関する情報 ・契約日 ・契約の種類 ・商品名 ・支払回数 ・契約額 ・契約終了予定日 ・登録会社名 など |
支払状況に関する情報 ・報告日 ・残債額 ・請求額 ・入金額 ・入金履歴 ・異動(延滞・保証履行・破産)の有無 ・異動発生日 ・延滞解消日 ・終了状況など |
割賦販売法対象商品の支払状況に関する情報 ・割賦残債額 ・年間請求予定額 ・遅延の有無 など |
貸金業法対象商品の支払状況に関する情報 ・確定日 ・貸付日 ・出金額 ・残高遅延の有無 など |
利用情報 | 申込者を識別するための情報 ・氏名 ・生年月日 ・郵便番号 ・電話番号 など | クレジット会社などが照会した日から6ヵ月間 |
利用した事実に関する情報 ・利用日 ・利用目的 ・利用会社名 など |
JICCに登録されている法人の信用情報の内容を紹介します。
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情報項目 | 内容 | 登録期間 |
法人を特定するための情報 | ・法人名 ・代表者名 ・所在地 ・電話番号 など | 契約内容に関する情報が登録されている期間 |
保証人※に係る本人を特定するための情報 ※多くの場合、法人代表者 | ・氏名 ・生年月日 ・性別 ・住所 ・電話番号 ・勤務先 ・勤務先電話番号 ・運転免許証などの記号番号 | 契約内容に関する情報が登録されている期間 |
契約内容に関する情報 | ・登録会員名 ・契約の種類 ・契約日 ・貸付日 ・契約金額 ・貸付金額 ・保証額 など | 契約継続中および完済日から5年以内 |
返済状況に関する情報 | ・入金日 ・入金予定日 ・残高金額 ・完済日 ・延滞 など | 契約継続中および完済日から5年以内 (延滞情報は延滞継続中、延滞解消した場合は解消日から1年以内) |
取引事実に関する情報 | ・債権回収 ・債務整理 ・保証履行 ・強制解約 ・破産申立 ・債権譲渡 など | 該当する事実が発生した日から5年以内 (債権譲渡に関する情報は発生日から1年以内) |
申し込みに関する情報 | 保証人を特定する情報 ・申込日 ・申込商品種別 など | 照会日から6ヵ月以内 |
クレヒス(信用情報)は、信用情報機関に申請すると内容を確認できます。CICは個人の信用情報のみ、JICCは個人と法人両方のクレヒスが閲覧できます。それぞれの信用情報取得方法は次のとおりです。
CICで個人のクレヒスを取得する方法
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ステップ1 | スマートフォンまたはパソコンで手数料決済方法の決定 |
ステップ2 | 受付番号の取得 |
ステップ3 | 認証コードの取得 (受付番号と電話番号を入力すると認証コードが発行される) |
ステップ4 | お客様情報を入力 |
ステップ5 | 利用手数料の決済 ・クレジットカード決済:自動的に決済完了 ・キャリア決済:各キャリアの決済画面で手続き |
ステップ6 | 信用情報がPDFで閲覧できる |
備考 | ・手続き可能時間は8:00から21:45 ・利用手数料:500円 |
JICCで個人または法人のクレヒスを取得する方法
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ステップ1 | JICC専用のアプリをダウンロードして「信用情報開示の申込」を選択 |
ステップ2 | クレジットカードや電話番号などで本人確認 |
ステップ3 | お客様情報を入力 |
ステップ4 | 手数料の支払方法を選択 ・クレジットカード決済 ・キャリア決済 ・コンビニなどのオンライン収納代行 |
ステップ5 | 信用情報を受けとる |
備考 | ・郵送や窓口でも手続き可能 ・データで信用情報を取得する場合の手数料:1,000円 ・郵送で信用情報を取得する場合の手数料:1,300円 |
信用情報には、本人の氏名や住所などの個人情報のほか、次のような項目が記載されています。
- 新規にクレジットカードを契約した内容
- クレジットの使用状況
- 返済の遅延の有無
- 割賦残債額
- キャッシングサービスの残高など
信用情報を見るとクレジットカードやキャッシングサービスの利用状況が分かるため、自分のクレヒスが気になる方は申請してみましょう。
法人カードの審査で重視されるポイントは次の4つです。
ただし、金融機関やカード会社は審査基準を明確に公開していません。上の項目を基に、審査していると考えられます。
経営実績が長いほど企業としての信用は高いと判断され、審査に通りやすいと考えられます。だからといって経営実績がない、または浅い企業が法人カードの審査に通らないとは限りません。
カード会社や金融機関によっては、ベンチャー企業やスタートアップ企業向けの法人カードを取り扱っているところもあります。自社の特徴に合った法人カードを選択しましょう。
継続的に黒字経営である、借り入れが少ないなど財務状況が良いとされる企業は、法人カードの審査に通りやすいと考えられます。
しかし、企業の財務状況のほか、代表者のクレヒスも審査に影響すると考えられます。そのため、赤字経営や借り入れがあるからといって審査に通らないとは限りません。
代表者のクレヒスは、法人カードの審査で重視されるポイントのひとつです。代表者が個人で使用しているクレジットカードやカードローンなどで返済の遅れが発生した場合は、法人カードの審査に影響を与える可能性があります。
一方で、次の場合は法人カードの審査に通る可能性もあります。
- 代表者のクレヒスに気になる点があるが、企業の経営は安定
- 企業の経営実績は浅いが、代表者のクレヒスは順調
企業の経営に加え、代表者のクレヒスも法人カードの審査に影響するため、返済に遅れがないように利用しましょう。
法人カードの中でも、利用代金を従業員個人の口座から引き落とすカードの場合、カードを使用する従業員のクレヒスも重視される場合があります。法人カードを使用する従業員の信用情報に、返済遅延や滞納の記録が載っていると、法人カードの審査に通らない可能性が考えられます。
従業員のクレヒスが気になる場合は、利用代金の引き落としを法人名義の口座にするのがおすすめです。その場合、従業員のクレヒスが影響する可能性は低くなります。
代表者のクレヒスに、返済の滞納や遅延などの記録がある場合は、次の対処法を実践することで法人カードの審査に通る可能性があります。
現在利用中のクレジットカードやローンがある場合は、返済の遅延や滞納をしないよう返済期日を守りましょう。法人カードは個人の信用で成り立つ仕組みのため、返済期日を守って使い続けることで信用が高まり、良好なクレヒスが積み上がります。
ただし、クレジットカードやローンの利用履歴がないとクレヒスが積み上がらないため、信用も高まりません。過去に長期間の返済遅延や強制解約などの金融事故を起こして、クレジットカードの利用ができない状態と判断される可能性もあります。
クレジットカードやローンを使い続けて、期日通りに返済することを繰り返してクレヒスを積み上げましょう。
法人カードの審査に通らなかった場合、返済遅延や滞納などのクレヒスが消えるのを待つのも対処のひとつです。信用情報は5年間保存されるため、悪いクレヒスが消えたあとに改めて法人カードの申し込みをすると、審査に通る可能性があります。
ただし、法人カードは個人のクレヒスと企業の経営状況を総合的に判断して審査されるため、悪いクレヒスが消えたとしても確実に審査に通るとは言い切れません。
デビットカードは利用代金が即時に口座から引き落とされるカードです。預金残高以上の金額は利用できないため、法人カードが発行できなかった場合は、デビットカードを利用する方法もあります。
デビットカードはクレジットカードのような審査は実施されません。即時引き落としのため、残高不足に注意しなければなりませんが、利用明細で使用状況が確認できたり、サービスによってはポイントが貯まるものもあります。クレヒスは積み上がりませんが、悪いクレヒスが消えるまでの間の一時的な支払いに、デビットカードを利用するのもおすすめです。
法人カードの審査に通りやすくするには、次の4つのポイントを実践してみましょう。
経営実績が浅い企業の場合は、支払能力が低いと判断される可能性があります。特に立ち上げたばかりの会社は、経営実績を積み重ねることが重要です。赤字経営の企業の場合は、コストやキャッシュフローを見直してみましょう。
経営実績を積み重ねることで、支払能力があると判断され、法人カードの審査に通りやすくなります。
事業内容や事業実態が分かりにくい法人や個人事業主は、信用を得るのが難しい場合が多いです。特にフリーランスで法人カードを発行したい場合は、次のポイントをおさえることで事業実態が証明できます。
- 税務署に開業届を提出する
- 自宅とオフィスの住所を分ける
- オフィスの固定電話を設置する
- 公式ウェブサイトを作成し公開する
一度に複数の法人カードに申し込むと、資金繰りに困っていると判断されて審査に通らない可能性があるため、避けるのがおすすめです。「法人カードを申し込んだ」という情報は信用情報機関に登録されます。同一人物が複数のカード会社に申し込めば、それぞれのカード会社が信用情報を閲覧することになり、一度に複数の法人カードに申し込みをしたことが分かってしまいます。
法人カードの審査に通らなかったときのために複数社申し込みたいと考えるかもしれませんが、審査に影響する可能性があるため、極力一社に絞りましょう。
代表者個人のクレヒスも法人カードの審査に影響するため、個人の借り入れなどをなるべく減らしましょう。代表者個人が、多額のリボ払い・分割払いがある場合や、カードローンの借入残高が高額な場合は、法人カードの審査に影響する可能性があります。
分割払いやキャッシングサービスなどの利用自体は問題ありませんが、残高が高額の場合は、ある程度返済してから法人カードを申し込むと、審査に通りやすいかもしれません。
UPSIDER(アップサイダー)では、独自の与信モデルで最大10億円の利用限度額を提供しています。実際の利用限度額は、独自のAIモデルを通じて、審査時に連携した銀行口座データに加えて、UPSIDERカードの利用状況、お支払い状況などを加味して、お客様の成長速度に合わせた与信枠の提供が可能となっており、従来の金融機関が与信枠を出しづらいスタートアップや中小企業への与信枠が増加しております。
設立したばかりで経営実績が浅い企業でも、UPSIDERカードの利用が可能です。ウェブで申し込みが完結し、最短即日でカードが発行されます。法人カードの審査に不安がある方は、UPSIDERカードをご検討ください。
どちらも影響します。法人の経営状況や財務状況、代表者個人のクレヒス両者を基に審査が行われます。
仮に法人の経営状況が悪くても、代表者個人のクレヒスが信用の高い場合や、反対に代表者個人のクレヒスが悪くても、法人の経営状況が良い場合は、審査に通ることもあります。
主に、会社の経営実績、財務状況、代表者個人のクレヒスなどであると考えられます。従業員向けに追加でカードを発行した場合は、従業員個人のクレヒスも影響することがあります。
会社設立から日が浅く、経営実績が少ない会社、財務状況がよくない会社、代表者個人