ファクタリング契約とは?利用の流れや注意点を解説

ファクタリング契約とは?利用の流れや注意点を解説

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3行でまとめると…

  • ファクタリングを利用するには事業内容や取引実績などの審査が必要##first
  • 契約時には自社にとって不利な条件ではないことを確認すること##second
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資金繰りに悩む経営者や経理担当者にとって、ファクタリングは資金繰りの味方になってくれるサービスです。この記事では、事業の資金繰りを改善するファクタリングの仕組みや契約の流れを紹介します。

ファクタリングを申し込むには窓口で相談する方法のほか、インターネットや電話での手続きだけで即日入金してくれるサービスもあります。おすすめの資金繰りサービスを紹介していくので、資金繰り改善の参考としてください。

監修者 越智聖(税理士)

監修者

越智聖

税理士

松山市の税理士 越智聖税理士事務所、株式会社聖会計代表。経済産業省 認定経営革新等支援機関
“ヒトの為に動く”をモットーとした懇切丁寧な対応で、主に中国・四国全域の中小企業を中心に支援。業種としては不動産業、建設業、飲食業、宿泊業、保険業などを中心に、酪農業、漫画家といった珍しい業種のクライアントまで対応している。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意とし、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超えている。

目次

そもそもファクタリング契約とは

そもそもファクタリング契約とは

ファクタリングとは売掛金を利用して担保なしで利用できる資金調達方法のひとつです。事業者が持つ売掛金をファクタリング会社に売却することで、手数料を差し引いた分の資金が振り込まれます。

ファクタリングは主に資金繰りに悩む事業者が利用できる資金調達手段です。通常、売掛金(売上債権)は取引先の支払日まで現金化できませんが、ファクタリングを使えば期日を待たずに売掛金を現金化できます。

ファクタリング契約には「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」の2種類があります。「買取型ファクタリング」とは売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうサービスです。「保証型ファクタリング」とは取引先からの支払いを保証会社に保証してもらうサービスです。

買取型ファクタリングは資金調達が主な目的ですが、保証型ファクタリングは売掛金の貸倒れリスク軽減が目的であるという違いがあります。

ファクタリング契約を締結するまでの流れ

ファクタリング契約を締結するまでの流れ

ファクタリング契約を締結するためには、必要書類を揃えたうえでファクタリング会社へ申し込みます。その後、所定の審査が行われ、無事通過すると契約を結べるという流れです。

ファクタリングでは申し込みの前にファクタリング会社へ利用の相談をすることもできます。ファクタリング契約を締結するまでの流れは以下の通りです。

ファクタリング契約を締結するまでの流れ

ファクタリング会社に相談する

ファクタリング契約ではファクタリングがどんなサービスなのか、ファクタリングに応じてもらえるのかといった契約の基本となる事項について事前相談できます。ファクタリングに関する説明を受けられるため、本格的な契約に移る前にファクタリング会社に相談することがおすすめです。

また、複数のサービスを比較検討するのもおすすめです。ファクタリング会社によって、利用手数料や現金化までのスピードが異なるため、自社の求める条件に合致したファクタリング業者を比較しましょう。

なお、3者間ファクタリングを利用する際は、事前相談の後に売掛先から内諾を得ておきましょう。3者間取引とは売掛先の企業も交えた契約です。3者間ファクタリングは売掛先も含めた契約となるため、2社間ファクタリングよりも契約手続きが煩雑になります。

ファクタリング会社へ申し込む

ファクタリングは窓口で相談するほかにも、電話やインターネットを使って来店せずにファクタリング契約を完結できることがあります。

ファクタリング会社へ申し込むには、以下4つの方法があります。

窓口電話インターネット郵送
特徴店舗の窓口で相談する電話で申し込みができるインターネットで申し込みができるネット環境が不要
メリットその場で相談できる来店の必要がない来店の必要がない来店の必要がない
デメリット来店の必要がある営業時間に問い合わせる必要があるネット環境とデバイスが必要書類準備が手間

申込方法1:窓口

ファクタリング会社の事務所へ行って窓口で直接相談する方法があります。

店舗の担当者と直接話し合いができるため、ファクタリングの仕組みや契約条件について詳細を話し合いながら検討できるメリットがあります。

自宅や勤務先などの近くにファクタリング会社の窓口があって営業時間内に訪れることが可能な方、そこまで急いで資金調達する必要がない方などにおすすめの申込方法です。

申込方法2:電話

ファクタリング会社へ電話をすることで申し込みができます。

店舗へ行く必要がない分、手軽な申し込み方法です。ファクタリング会社の窓口が近くにない方、担当者と会話しながら申し込みしたい方などにおすすめの申込方法です。

申込方法3:インターネット

PCやスマートフォンなどを使って申し込みをすることもできます。

店舗へ行く必要がないほか、必要な書類も電子形式で提出できるため、すぐに手続きを進められます

手続きをできるだけスピーディに進めたい方などにおすすめの申込方法です。

申込方法4:郵送

郵送でファクタリングの申し込みをすることも可能です。郵送であれば、ネット環境やデバイスがなくても来店不要で申し込みができます。

ただし、書類に不備があると修正の手間がかかったり、希望のタイミングでファクタリングを利用できなかったりする可能性があります。

インターネットからの申し込みに抵抗がある・難しい方、ファクタリングの入金をそこまで急いでいない方などにおすすめの申込方法です。

必要書類を提出する

実際にファクタリングを契約するには、審査のために必要書類を準備します。

ファクタリングの契約で提出が求められる必要書類は以下の通りです。

  • 本人確認書類
  • 通帳のコピー
  • 売掛先との契約書
  • 売掛金の内容が分かる書類
  • 印鑑証明書

必要書類1:本人確認書類

本人確認書類は申込者を証明するために必要な書類です。

個人事業主の場合、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが本人確認書類として利用できます。法人の場合は法人登記簿謄本が証明書類となります。

必要書類2:通帳のコピー

通帳のコピーは入出金の履歴を確認するために提出します。

過去に売掛先から入金した実績を証明することで、審査を通過する可能性が高くなるでしょう。

必要書類3:売掛先との契約書

ファクタリングの審査を通過するためには売掛金の実在性、つまり売掛金が本当に実在するのかが重要です。

売掛先との契約書には契約に関する金額や支払い条件などが記載されているため、売掛金が実在することを証明できます。

必要書類4:売掛金の内容が分かる書類

契約書のほかにも、売掛金の内容が分かる書類の提出を求められます。

具体的には、請求書や納品書などが売掛金の内容が分かる書類です。特に、請求書は売掛金の額および取引先の支払意思を確認できるため、ファクタリング契約で提出が求められることが一般的です。

必要書類5:印鑑証明書

印鑑証明書とは印鑑が本物であることを証明する書類です。

契約書に捺印されている印鑑が本物であることを証明するために提出が求められることがあります。

ファクタリング会社の審査を受ける

ファクタリングを利用するには、ファクタリング会社の審査を受ける必要があります。ファクタリングの審査は、売掛金を回収できるのかという観点でチェックするものです。

具体的なファクタリングの審査内容は「自社の事業内容」「売掛先の事業内容」「過去の取引実績」などです。売掛先との取引が実在するかどうか、契約書や請求書から判断します

審査では提出書類をチェックするほかに、ファクタリング会社からヒアリングされることもあります。ヒアリングを受ける際は虚偽の申告がないようにしてください。

ファクタリング契約を締結する

ファクタリングの審査を通過したらファクタリングの契約締結です。

ファクタリングを契約する前に契約書の内容をよく確認してください。契約の内容に問題があったり、不明点があったりする場合はファクタリング会社の担当者に聞いておきましょう。

ファクタリングの契約書でチェックしたいポイントとは

ファクタリングの契約書でチェックしたいポイントとは

ファクタリングの契約を結ぶ際、条件を確認しておかないと思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。ファクタリングの契約書でチェックするべきポイントは以下の通りです。

ファクタリングの契約書でチェックしたいポイントとは

契約書のポイント1:償還請求権

償還請求権とは、売掛先からの支払いがなかった場合に、ファクタリング業者から利用者へ売掛金を買い戻せる権利のことです。

償還請求権が設定されているファクタリングのことを「リコース契約」と呼びます。一方、償還請求が設定されていないファクタリングは「ノンリコース契約」と呼びます。

多くのファクタリングは「ノンリコース契約」で、売掛先から支払いがなくてもファクタリング利用者には支払いの義務は生じません。

一方、償還請求権が設定されている「リコース契約」の場合、利用者が不利になる場合があるため、契約条件を確認しておきましょう。

なお、金融庁によると「リコース契約」となるファクタリングは貸金業の登録が必要になるとされています。貸金業法の登録がないファクタリング業者が償還請求権の設定されたリコース契約を持ちかけてくる場合、違法な業者である可能性があるため注意しましょう。

参考:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁

契約書のポイント2:債権譲渡通知

債権譲渡通知とは、債権者が第三者に変更されたことを債務者へ知らせる通知です。ファクタリングでは債権(売掛金の支払いを受けられる権利)がファクタリング会社へ変更されたことを売掛先に通知します。

3者間ファクタリングでは債権譲渡通知が必要ですが、2者間ファクタリングでは債権譲渡通知は必要ではありません。

債権譲渡通知が通知されると売掛先に売掛金の権利が譲渡されたことが通知されるため、売掛先との関係が悪化する場合があります。

契約書のポイント3:債権譲渡登記

債権譲渡登記とは債権譲渡登記所などの公的機関に債権(売掛金)が譲渡されたことを登記する制度です。

登記された情報は法務局で確認でき、登記された情報は債務者以外の第三者に対して自己の権利を主張することができます。

ファクタリングの契約では債権譲渡登記が必要になることがありますが、基本的に登記費用は利用者負担です。また、債権譲渡登記は法人が対象であるため、個人事業主は債権譲渡登記が必要なファクタリングは契約できません。

参考:債権譲渡登記|法務局

契約書のポイント4:手数料

ファクタリングを利用する場合、手数料がかかります。

手数料の金額は契約内容やファクタリング会社などの条件によって異なるので、ファクタリング会社を選ぶ際は手数料の安さで比較することがおすすめです。

契約書のポイント5:報告義務

売掛先に何らかの懸念があることを知っている場合、ファクタリングの契約で懸念の内容を知らせる「報告義務」が発生します。

報告義務を怠った場合、ファクタリング会社から損害賠償を請求されるリスクがあります。

契約書のポイント6:違約金・損害賠償

ファクタリング会社に関して利用者が追うべき義務を全うできない場合、違約金・損害賠償を求められることがあります。

例えば、先の報告義務を怠ったうえで売掛先から代金を回収できなかった場合、報告義務を怠ったとして違約金・損害賠償が発生する場合があります。

違約金・損害賠償の責任は契約書で記載されているので、契約の際には責任範囲や賠償の金額などを確認しておきましょう

契約書のポイント7:契約解除

ファクタリングの契約内容に違反すると、強制的にファクタリング契約が解除されてしまいます。

契約書に記載されている契約条件を確認して契約違反に該当する行為などを確認しておきましょう。

ファクタリング契約を締結するときの注意点を解説

ファクタリング契約を締結するときの注意点を解説

ファクタリングを利用する際は、契約書の内容や契約条件をしっかり確認しておきましょう。ファクタリング契約を締結するときの注意点は以下の通りです。

ファクタリング契約を締結するときの注意点を解説

手数料の相場と比較する

ファクタリングを利用する際は、一般的なファクタリングの手数料と比べて高くないか確認しましょう。

ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングと3者間ファクタリングで相場が異なります。

  • 2社間ファクタリングの手数料相場:10%~20%
  • 3社間ファクタリングの手数料相場:1%~9%

ファクタリング会社や売掛金の状況によって異なるので、見積もり時などに確認しましょう。

自分にとって不利な契約になっていないか確認する

ファクタリングの契約を結ぶ際は、自社にとって不利な契約になっていないか確認しましょう。

例えば、不本意な契約期間になっていないか、損害賠償の責任が不当に重すぎないか注意することが重要です。

また、口頭で合意していたとしても、契約書に記載されていなければ効力ありません。事前にファクタリング会社と相談した内容が反映されているかしっかり確認しましょう。

契約書の控えをもらえるかファクタリング会社に確認する

契約締結後は通常、契約書の控えを受け取れます。

しかし、業者によっては契約書の控えの交付を拒むところもあるので注意しましょう。特に、悪徳業者のなかには契約書の控えを拒むケースがあるため、必ず契約書の控えを貰いましょう。

契約書の控えは契約前に確認しておくと安心です。

取引終了後は債権譲渡登記を抹消する

債権譲渡登記を実施した場合、取引終了後に債権譲渡登記を抹消しましょう。

債権譲渡登記をそのままにしておくと、別のファクタリング会社を利用した際に二重登記になってしまう場合があります。

なお、登録の抹消にかかる手数料は1万円〜2万円ほどです。

おすすめのファクタリング会社3選を紹介

おすすめのファクタリング会社3選を紹介

ファクタリング会社は「取引の種類」「取引可能額」「手数料」「資金調達にかかる日数」など、複数の観点からサービスを比較して選ぶべきです。

おすすめのファクタリング会社として、以下3社のサービス内容を紹介します。それぞれの特徴やサービス内容を比較していくので、ファクタリング会社の選定に役立ててください。

会社名取引の種類取引可能額手数料資金調達にかかる日数
ビートレーディング2者間ファクタリング3者間ファクタリング無制限2.0%~12.0%最短即日
ベストファクター2者間ファクタリング3者間ファクタリング10万円~1億円前後2.0%~20.0%最短即日
QuQuMo2者間ファクタリング無制限1.0%~14.8%最短即日

ビートレーディング

ビートレーディング中小企業向けの老舗ファクタリングサービスです。

累計取引実績は46,000社(2023年3月時点)と、豊富な取引実績でユーザーからの信頼が厚くなっています。安心したファクタリング取引ができるでしょう。

2社間取引や3社間取引だけでなく、介護報酬債権ファクタリングや診療報酬債権ファクタリングなど、多様な種類のファクタリングに対応しているため、事業に合わせて適切なファクタリングを利用できます。

取引の種類2社間取引、3社間取引、介護報酬債権ファクタリング、診療報酬債権ファクタリング
取引可能額下限上限なし
手数料2社間取引:4%〜12%、3社間取引:2%〜9%
現金化までの日数最短12時間

ベストファクター

ベストファクター平均買取率92.2%など柔軟な審査に応じているファクタリングサービスです。他のファクタリング会社で断られた方も契約できたとの声が多く、柔軟な取引に対応しています。

取引可能額は30万円からであり、少額な取引にも対応しているため、個人事業主の方にもおすすめです。

取引の種類2社間取引、3社間取引
取引可能額30万円〜
手数料2%〜20%
現金化までの日数最短24時間

QuQuMo

QuQuMoネット完結で最短2時間とすぐに資金調達ができるファクタリングサービスです。2社間取引ファクタリングを取り扱っているほか、債権譲渡登記も不要など事業者の幅広いニーズに対応しています。

取引の種類2社間取引
取引可能額上限なし
手数料1%〜14.8%
現金化までの日数最短2時間

まとめ

まとめ

ファクタリングは売掛金を活用することによって資金調達ができるサービスです。

ファクタリングを契約する際は、契約書によって細かい条件が規定されています。特に、手数料や債権譲渡、違約金・損害賠償による事項はしっかり確認しておかないと利用者が損をしてしまう可能性があります。必ず、契約書に記載されている条件を確認しておきましょう

ファクタリング業者によって審査のポイントや契約の流れが異なりますが、ファクタリング会社では窓口などでファクタリングに関する相談に応じてくれます。

ファクタリング以外にも資金繰りを改善するなら「支払い.com」がおすすめです。「支払い.com」では届いた請求書の支払いを銀行振込ではなくクレジットカード払いにすることで、支払いを最長60日後までに引き伸ばすことができます。事業の資金繰りやキャッシュフローにお悩みの方は、ぜひご活用ください。

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請求書の支払いをクレジットカードで決済することにより、支払いを最長60日先延ばしすることができます。

例:期限が12月31日の支払いが200万円あるが、手元の現金では支払えそうにない…

  • 12月29日までに支払い.comで振込情報を登録。12月31日までに取引先へ振込が行われます。
  • この時点で200万円+手数料4%のカード決済が発生しますが、
  • ご利用のカードが毎月15日締め、翌月末日払いだとすると、カード利用金額が引き落とされるのは2月28日になります。
  • つまり、銀行振込の場合に比べ、口座から現金が減るのを約2ヶ月間先延ばしできたことになります。(12月31日→2月28日)

※ここでは休日・祝日は考えないものとします。

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資金繰り改善としてファクタリングがありますが、支払い.comとファクタリングは全く異なる仕組みのサービスです。

  • 支払い.com:支払いを遅らせる
  • ファクタリング:入金を早める

支払い.comとファクタリングの違いをまとめると、以下の通りです。

支払い.comファクタリング(例)
資金繰り改善の仕組み支払いを遅らせる入金を早める
手数料4%15%
利用可能額1万円〜上限なし50万円まで
審査審査なし審査あり
必要書類書類提出なし決算書など
カード利用可能不可能
取引先への通知なしあり(三者間の場合)
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