一括ファクタリングとは?デメリット・でんさいとの違いなどを解説

一括ファクタリングとは?デメリット・でんさいとの違いなどを解説

更新日:

3行でまとめると…

  • 一括ファクタリングは経理事務の負担軽減や支払い能力のアピールに効果的##first
  • 納入企業の貸し倒れリスクも軽減できる##second
  • 資金繰り改善ならまずは支払い.com 。手数料4%・審査なしで支払いを最長60日先延ばし!

    ##matome

支払い.comの詳細を見る>>

手形の発行や管理は何かと手間がかかるものです。「手形をやめて決済にかかる時間やコストを削減したい」と考える企業も多いのではないでしょうか。経理事務や費用負担を軽くするサービスとして、「一括ファクタリング」が注目を集めています。

この記事では、一括ファクタリングとはどういったシステムなのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。さらにほかのサービスとの違いや、一括ファクタリングを利用できる金融機関についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

監修者 越智聖(税理士)

監修者

越智聖

税理士

松山市の税理士 越智聖税理士事務所、株式会社聖会計代表。経済産業省 認定経営革新等支援機関
“ヒトの為に動く”をモットーとした懇切丁寧な対応で、主に中国・四国全域の中小企業を中心に支援。業種としては不動産業、建設業、飲食業、宿泊業、保険業などを中心に、酪農業、漫画家といった珍しい業種のクライアントまで対応している。会計・税務はもちろんのこと、お客様のお悩み事を解決する総合的なコンサルティング、緻密な経営診断にもとづく経営コンサルティングなどを得意とし、一般的には7割が赤字企業といわれるなか、当事務所の顧問先の黒字率は6割を超えている。

目次

一括ファクタリングとは?

一括ファクタリングとは?

一括ファクタリングとは、手形の替わりに、納入企業の売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、支払企業の決済事務負担を軽減する仕組みを指します。

一括ファクタリングを利用するには、支払企業・納入企業・ファクタリング会社の三者で契約を結ぶ必要があります。実際の運用手順は次の通りです。

<一括ファクタリングの手順>

  1. 支払企業・納入企業・ファクタリング会社(金融機関)の三者でファクタリング基本契約を締結する
  2. 納品や請求により発生した売掛債権をファクタリング会社に譲渡する
  3. 支払企業がファクタリング会社に支払明細データを送信する
  4. ファクタリング会社が納入企業に代金を支払う
  5. 支払期日通りに支払企業がファクタリング会社へ代金を支払う

大まかな流れはこのようになりますが、サービスの細かな部分はファクタリング会社によって異なります。

一括ファクタリングとその他のサービスとの違い

一括ファクタリングとその他のサービスとの違い

一括ファクタリングとよく比較されるサービスに、「でんさい」や「買取型ファクタリング」があります。それぞれのサービスごとに特徴や目的、運用などが異なるため、導入時に比較検討することが重要です。それぞれのサービスと、一括ファクタリングとの違いを解説します。

一括ファクタリングとその他のサービスとの違い

一括ファクタリングとでんさいの違い

「でんさい」(電子記録債権)とは、お金のやり取りを電子記録によって管理し、業務効率化を図るものです。手形や振込に代わる決済手段として2013年にサービスが開始されました。でんさいを利用するには、利用者・金融機関・でんさいネットの三者で契約を結ぶ必要があります。

<一括ファクタリングとでんさいの違い>

一括ファクタリングでんさい
サービスの目的経理事務負担や未回収リスクの軽減ペーパーレス化による決済の効率化
支払期日支払期日前の現金化が可能支払期日後でないと現金化できない
償還請求権なし(支払企業が倒産しても納入企業は責任を負わない)あり(納入企業に返済義務が発生する)

一括ファクタリングはスピーディーに現金を入手可能で、未回収リスクを軽減できるのが特徴です。一方のでんさいは、あくまでも決済の効率化を目指したものです。

どちらも決済業務の効率化が可能で、手形事故などのリスク軽減にも役立つことは共通しているものの、サービスの目的は異なることを念頭に置いておく必要があります。

一括ファクタリングと買取型ファクタリングの違い

買取型ファクタリングとは、納入企業がファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらい、手数料を引いた現金を受け取る仕組みのことです。その後、ファクタリング会社が支払企業や納入企業から売掛金を回収する仕組みになっています。

<一括ファクタリングと買取型ファクタリングの違い>

一括ファクタリング買取型ファクタリング
サービスの目的経理事務負担や未回収リスクの軽減スピーディーな現金化や未回収リスクの軽減
申込者支払企業納入企業
サービス提供者大手企業のみ中小企業が多い

どちらのサービスも、早期の現金化が可能で未回収リスクを軽減できることは共通しています。

すべての売掛金を買い取る一括ファクタリングは三者間での契約が必要で、大手の金融機関のみが取り扱っています。

一方で買取型ファクタリングを扱う会社は大手企業のみならず中小企業も多く、「手数料が安い」「翌日入金可能」など、サービス内容もれぞれ異なります。また、利用者(納入企業)とファクタリング会社で完結する二者間ファクタリングでは、支払企業にその旨を通知をする必要がありません。そのため支払企業に知られることなく債権を現金化することも可能です。

支払企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

支払企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

一括ファクタリングにはメリットとデメリットの両面が存在します。導入する際は、メリット・デメリットの両方を把握したうえで検討することが大切です。まずは主体となる支払企業にどういった影響が発生するのかを確認しておきましょう。

支払企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

支払企業におけるメリット

  • 手形管理の事務負担を軽減できる
  • コストを抑えやすい
  • 信用度があるとアピールできる

一括ファクタリングは、支払企業にとって「事務・支払負担を軽くできる」「信用度があるとアピールできる」といったメリットがあります。ここでは3つのメリットを順番に解説します。

手形管理の事務負担を軽減できる

手形はビジネスの場において従来から使われてきた決済方法ではあるものの、発行や管理には手間がかかります。物理的なものである以上、紛失や盗難、破損といったリスクも避けられません。さらに手形による取引が多ければ多いほど決済に関する事務負担も重くなり、場合によってはスタッフの増員や残業などで対応しなければならないこともあります。

決済方法を一括ファクタリングにすることにより、手形の発行や保管といった業務が不要となります。企業間のお金のやり取りに関する事務負担を軽くできるのは、大きなメリットといえるでしょう。

コストを抑えやすい

一定の金額以上の手形には印紙税が必要です。1件につき数百円、数千円であっても取引の数が増えれば無視できない金額になり、会計に影響を及ぼすこともあります。また、印紙の購入や管理にも手間暇がかかります。一括ファクタリングに切り替えれば手形の印紙税が不要となり、印紙管理の手間暇も削減可能です。

また、事務負担を軽減することで経理部の人員を削減できたり残業が減ったりすれば、人件費の削減にもつながるでしょう。

さらに現物をやり取りする手形では郵送事務や郵送費も発生しますが、これらの経費も一括ファクタリングの導入によって削減できます。

信用度があるとアピールできる

一括ファクタリングを導入する際、支払企業はファクタリング会社による審査を通過しなくてはなりません。ファクタリング会社にしてみれば、売掛債権を回収できないなど、損をする可能性がゼロではない以上、支払能力が低い会社とは契約できないのです。

つまり審査を通過すれば、「支払能力が高い」とのアピールになります。企業の信用度が高ければ、銀行からの融資や商談先との取引においてプラスに働くことは想像に難くないでしょう。

支払企業におけるデメリット

  • 審査を通過する必要がある
  • 支払期限が手形より短いケースがある

一括ファクタリングは支払企業にとってメリットが多いものの、デメリットも存在するため、次の項目からわかりやすく解説します。

審査を通過する必要がある

すでに解説した通り、一括ファクタリングの導入にはファクタリング会社の審査を通過する必要があります。そのため、すべての企業が申し込むだけでは利用できないため、導入におけるハードルはそれなりに高いといえるでしょう。

審査を通過することで企業としての信用度を示せるというのは、裏を返せば信頼度が低い企業は導入できないことでもあります。

どのようなポイントが審査されるのかについて具体的な内容は明示されていないものの、一般的には業績や取引実績をチェックされるといわれています。

支払期限が手形より短いケースがある

下請代金支払遅延等防止法」では、支払期限について「受領した日から起算して60日の期間内に、できる限り短い期間で定めなければならない」と決められています。一括ファクタリングの支払期限も60日です。

しかし手形の場合、支払期限が120日となっていることが多く、一括ファクタリングに切り替えることで支払期限が短くなる可能性がある点がデメリットです。

ただし公正取引委員会と中小企業庁では、2021年に手形の支払期限を60日以内にすることを要請しているため、手形で支払っている企業にもいずれ何らかの対策が求められる可能性があります。その場合、一括ファクタリングにおける支払期限の短さがデメリットとはいえなくなるかもしれません。

納入企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

納入企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

一括ファクタリングは、支払企業だけでなく、納入企業にとってもメリットやデメリットがあります。導入にあたって知っておきたいことを確認しておきましょう。

納入企業における一括ファクタリングのメリット・デメリット

納入企業におけるメリット

  • 素早く資金を調達できる
  • 手形管理の事務を簡略化できる
  • オフバランス化を図れる

納入企業が一括ファクタリングを導入するメリットは、スムーズな現金化が可能なことや決済に関する事務作業の負担を軽減できることなどがあげられます。順番に解説します。

素早く資金を調達できる

一括ファクタリングでは、「下請代金支払遅延等防止法」で最長60日と定められている支払期日までに現金を得られるのが大きなメリットです。従来から使われている手形の場合、支払期日が最長120日と長く、現金化に時間がかかることが少なくありません。サービスや商品の提供が完了していても現金化できないことで、経営に影響が出るケースもあるでしょう。

一括ファクタリングでは手形と比較するとスピーディーに資金を得られるため、資金繰りの改善に役立ちます。

手形管理の事務を簡略化できる

一括ファクタリングを導入することで、支払企業だけでなく納入企業も手形を管理する必要がなくなり、経理業務の負担を軽減できる点も大きなメリットです。

有価証券である手形は、不備がないか否かをチェックする必要があり、さらにデータを記録したり金庫に保管したりと管理するだけでも多くの手間がかかります。また、万全を期したとしても、紛失や盗難、破損といったトラブルが絶対に起きないとはいえません。

一括ファクタリングでは事務を簡略化できるのに加え、手形事故の防止にもつながります。

オフバランス化を図れる

一括ファクタリングは借入にならないため、財務内容の改善にも役立ちます。売掛金をファクタリング会社に売却すると企業のバランスシート(貸借対照表)から資産分を除外でき、貸借対照表の見栄えがよくなるのに加えて借入枠を温存できます。

オフバランス化を進めることで銀行からの印象がよくなれば、融資も受けやすくなるでしょう。このように納入企業にとって一括ファクタリングは、借入のように負債を増やすことなく、素早く資金調達できるというメリットがあります。

貸し倒れリスクを軽減できる

納入企業にとって怖いのが、サービスや商品の納品が済んでいるにもかかわらず代金を回収できず、損失を被ることです。支払企業の財務状態が悪化すれば貸し倒れリスクが高まり、状況によっては共倒れにもなりかねません。

一括ファクタリングには償還請求権がないため、支払企業が倒産しても納入企業が支払を迫られることがありません。また一括ファクタリングは一定の信用があると認められ、審査を通過した支払企業のみが利用できる点からも、貸し倒れリスクを軽減できると言えます。

納入企業におけるデメリット

一括ファクタリングを利用したいと考えても、納入企業側では導入を決定できない点もデメリットです。

支払企業にとってメリットがあるといっても、すべての支払企業が一括ファクタリングに前向きなわけではありません。そもそも審査が通らず、利用したくてもできない可能性もあります。

一括ファクタリングを利用できる金融機関

一括ファクタリングを利用できる金融機関

ここでは、一括ファクタリングを利用できる金融機関を3つ紹介します。

金融機関名サービス名
百十四銀行一括ファクタリングシステム
三菱UFJファクター株式会社でんさい一括ファクタリング
三井住友銀行でんさいファクタリング支払サービス

百十四銀行(一括ファクタリングシステム)

本店が香川県高松市にある「百十四銀行」は、創業1878年(明治11年)の老舗企業で、地域に密着した銀行だといえるでしょう。手形の発行事務軽減や印紙税のコスト軽減などの魅力がある一括ファクタリングサービスを提供しています。

三菱UFJファクター株式会社(でんさい一括ファクタリング)

「三菱UFJファクター株式会社」は三菱UFJ銀行のグループ会社です。一括ファクタリングを利用するには、三菱UFJ銀行またはMUFと提携している金融機関の事前審査が必要です。導入する際のサポートが手厚く、納入企業宛の案内状作成や納入企業のフォローといったサービスを提供しています。

三井住友銀行(でんさいファクタリング支払サービス)

メガバンクのひとつである「三井住友銀行」も一括ファクタリングサービスを提供しています。納入企業は受け取り方法を「ファクタリング」もしくは「でんさい」から選択でき、事務作業の簡略化やスムーズな資金調達などに役立ちます。

三菱UFJファクター株式会社の「でんさい一括ファクタリング」や三井住友銀行の「でんさいファクタリング支払サービス」は、一括ファクタリングとでんさいを組み合わせたサービスです。

これらは企業が発行した電子記録債権(でんさい)をファクタリング会社が買い取る仕組みで、決済事務を大きく効率化できます。さらに「でんさいネット」に加入している金融機関を広く利用できる点も魅力的です。

まとめ

まとめ

一括ファクタリングは、手形の発行・管理のために発生する事務作業の負担を軽減し、未回収リスクも減らせるサービスです。「印紙が不要」「経理関係の人件費を減らせる可能性がある」など、コストの削減にもつながります。

一括ファクタリングを導入するには支払企業が主体となる必要があり、ファクタリング会社が実施する審査も通過しなくてはなりません。支払期限が短くなる可能性もあり、メリットばかりではないものの、デメリット以上のメリットがあるサービスだといえるでしょう。

一括ファクタリングの利用を検討中の場合、支払い.comもチェックしておくことをおすすめします。最短60秒で請求書払いをカード払いにできる支払い.comなら、審査不要で利用可能です。支払日を最長60日伸ばせる・即日利用可能などのメリットもあるので、ぜひ支払い.comの利用もご検討ください。

支払い.com by クレディセゾン×UPSIDER は、クレジットカードで資金繰りを改善できる「請求書カード払い」サービス。

請求書の支払いをクレジットカードで決済することにより、支払いを最長60日先延ばしすることができます。

例:期限が12月31日の支払いが200万円あるが、手元の現金では支払えそうにない…

  • 12月29日までに支払い.comで振込情報を登録。12月31日までに取引先へ振込が行われます。
  • この時点で200万円+手数料4%のカード決済が発生しますが、
  • ご利用のカードが毎月15日締め、翌月末日払いだとすると、カード利用金額が引き落とされるのは2月28日になります。
  • つまり、銀行振込の場合に比べ、口座から現金が減るのを約2ヶ月間先延ばしできたことになります。(12月31日→2月28日)

※ここでは休日・祝日は考えないものとします。

支払い.comを使うメリット

取引先への支払いから従業員の給与まで、幅広い用途に使える支払い.com

以下のようなメリットから、多くの企業・個人事業主様にご利用いただいています。

支払い.comのメリット

  • 最短翌日の振込に対応。急ぎの支払いでも安心!
  • 手数料4%とファクタリングに比べて大幅に安い
  • 審査なし!クレカを持っていれば誰でも利用できる
  • 振込名義が設定できるので、取引先に利用がバレない
  • 請求書のアップロードも不要なので、スマホから簡単に使える

※UPSIDERカード・セゾンカード利用で前営業日正午までに振込登録を行った場合

 支払いを最長60日先延ばしできる! 

審査なし、書類提出なし、手数料4%

の詳細を見る

資金繰り改善としてファクタリングがありますが、支払い.comとファクタリングは全く異なる仕組みのサービスです。

  • 支払い.com:支払いを遅らせる
  • ファクタリング:入金を早める

支払い.comとファクタリングの違いをまとめると、以下の通りです。

支払い.comファクタリング(例)
資金繰り改善の仕組み支払いを遅らせる入金を早める
手数料4%15%
利用可能額1万円〜上限なし50万円まで
審査審査なし審査あり
必要書類書類提出なし決算書など
カード利用可能不可能
取引先への通知なしあり(三者間の場合)
支払い.comとファクタリングの比較表

ユーザー登録は無料で、最短60秒・カード情報不要で登録できるので、まずは無料登録してみるのがおすすめです。

ファクタリングよりお得な資金繰り改善法!

審査なし、書類提出なし、手数料4%

の詳細を見る