黒字倒産とは?黒字なのに倒産する原因と回避方法を解説

黒字倒産とは?黒字なのに倒産する原因と回避方法を解説

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3行でまとめると…

  • 前々期までは倒産した企業の過半数が黒字倒産であり、資金ショートを起こすリスクは日常的に潜んでいる##first
  • 複数の資金調達方法確保やこまめな税理士への相談により、黒字倒産のリスクを回避できる##second
  • 資金繰り改善ならまずは支払い.com 。手数料4%・審査なしで支払いを最長60日先延ばし!

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多くの企業にとって避けたい事態である倒産は、必ずしも一般にイメージされるような「事業の不振」が原因とは限らないことをご存じでしょうか。決算好調、売上も順調に伸びている、そんな企業が前触れなく倒産する「黒字倒産」というケースが存在するのです。

本記事ではこの黒字倒産の概要から、発生する原因・リスクの確認手段・先行事例・回避方法について解説します。自社の「突然死」を予防したい経営者の皆さまは、ぜひご一読ください。

監修者 寺田真之(税理士・公認会計士)

監修者

寺田真之公認会計士・税理士事務所合同会社HAKU代表。公認会計士・税理士として、多種多様なクライアントの税務を支援。大手会計事務所での上場企業の対応経験から個人の申告まで業種問わず幅広く対応し、税務申告に関しては独立以後延べ1,000件以上の申告を行う。
【保有資格】
・税理士(登録番号:140541)
・公認会計士(登録番号:36029)
【経歴】
・東京理科大学工学部 卒業
・2013年〜2019年:KPMGあずさ監査法人にて会計に携わる
・2019年〜2023年:BlueWorks株式会社 代表取締役、税理士法人BlueWorksTax 社員税理士
・2023年〜:現職

目次

黒字倒産とは?

黒字倒産とは?

まずは、黒字倒産という言葉のそもそもの意味や、黒字倒産・赤字倒産にまつわる周辺事情を解説しましょう。

黒字倒産とは?

黒字状態でも資金繰りが悪化して倒産すること

 黒字倒産とは読んで字のごとく、きちんと利益が出ている(黒字決算)にもかかわらず、会社が倒産してしまう事態をあらわす言葉です。

傍目からは健全に経営しているように見える企業が突如倒産するという、一見すると不可解な事態に思えますが、その背景には資金繰りの悪化・失敗により資金ショートを起こしたケースが散見されます。

つまり黒字倒産では、決算上の売上利益・純利益といった数字には現れない、現金の出入り・流れ(キャッシュフロー)に問題がある可能性が高いということです。

具体的にどんな事由でキャッシュフローに問題が発生するかは、のちほど解説します。

赤字経営でも倒産するとは限らない

苦境に立たされた企業が倒産するケースとして、利益が出ていない赤字決算の企業を想像される方は少なからずいらっしゃるでしょう。実際問題として、赤字の状態が続けば会社の資金・資産はほとんどの場合で目減りしていくため、何の対策も打たず放置すれば、いずれは倒産してしまうことは間違いありません。

ただし、一時的に赤字決算の企業であっても、先述したようなキャッシュフローが健全でさえあれば、すぐに倒産に至るようなケースは稀です。さまざまな支払いがたとえ会社からの持ち出しとなってしまったとしても、売上入金が支払い日に間に合っており、手元の資金が支払いに足りてさえいれば、立て直しを図る猶予は充分にあります。

黒字倒産する企業は意外と多い

このように赤字決算が即倒産には結びつかない一方で、黒字倒産が起こりうる場面は、多くの方が想像されるより多岐にわたります。

東京商工リサーチ(TSR)による2022年の調査結果「倒産企業の財務データ分析」内、「倒産・生存企業財務データ比較 赤字企業率」では、倒産した企業の黒字・赤字の割合が以下のように示されています。

黒字倒産赤字倒産
前々期53.52%46.48%
前期44.13%55.87%
当期(最新期)37.08%62.92%

近年ではコロナ禍による経営環境の悪化も手伝い、赤字倒産に至る企業も増えてきていますが、前々期までは倒産した企業の実に過半数が黒字倒産であったことが読み取れます。

取引先の倒産をはじめ、売掛金の回収トラブル、「どんぶり勘定」の経営、自然災害など、黒字倒産に至るリスクは日常的に潜んでいることから、あらゆる事業者が注意を払うべき身近な問題といえるでしょう。

黒字倒産しやすい業種

業種によっては、業界の商習慣や取引方法そのものが黒字倒産を招きやすいことも想定されます。

顕著な例として挙げられるのは、建設業です。建設業では物件(他業種における商品)が完成しなければ売上が得られず、工事の受注から着工~工事完了、そして入金に至るまで、年単位での期間を要することも珍しくありません。もしクライアントから進捗状況による分割払い(前受金)が認められても、完工するまでは一部が未入金のままです。

その間も人件費・外注費など経費の支払いは発生し、入金までの期間(回収サイト)がきわめて長いにもかかわらず、支払いまでの期間(支払いサイト)は他業種同様、1ヶ月スパンで到来するということになります。経営管理が少しでもおろそかになれば、すぐに資金ショートの危機が訪れるであろうことは容易に想像がつくでしょう。

この例から、支払いサイトが短く、回収サイトが長い会社は、資金繰りが苦しくなりやすいことがわかります。

支払いサイトに関しては、以下のリンクから関連記事をご覧ください

黒字倒産が起こる原因

黒字倒産が起こる原因

それでは、実際に黒字倒産を引き起こす事由としては、どのようなトラブルが考えられるのでしょうか。ここでは主要な5つの原因について見ていきましょう。

黒字倒産が起こる原因

不良在庫によるもの

過剰な不良在庫(滞留在庫)を抱えている場合、黒字倒産のリスクが高まります。

余剰在庫は適切なタイミングで市場に供給することができれば利益につながるため、ある程度確保しておくことは重要ですが、販売につながらない不良在庫となれば話は変わってきます。保管スペースが必要とされるだけでなく、棚卸資産として事業税の対象ともなり、経費が膨らむ結果となるでしょう。

さらに厄介な点として、在庫は売れるまで原価が計上されないという特徴があります。損益計算書における営業損失に計上されないため、見かけ上は黒字であるものの実際は不良在庫を大量に抱えている、というケースがありうるのです。

売上債権の回収不能によるもの

取引先からの入金遅延は、資金ショートのリスクを高める由々しき事態ですが、入金予定の目処が立っているならば必ずしも黒字倒産に至るとは限りません。

ただし、取引先企業の倒産(貸し倒れ)などにより売掛金回収の見込みが無くなり、不良債権となってしまった場合は事態の深刻さが増します。入金が望めないということは、その売掛金全額の損失を計上することになるためです。

こうした大口取引先の倒産のあおりを受け、自社も倒産してしまう事態は「連鎖倒産」と呼ばれます。連鎖倒産の発生を防ぐには徹底した与信管理のほか、なんらかの形で売掛金の保全措置が必要です。

無理な投資によるもの

企業の成長期において、設備・人材といった分野への投資は必要不可欠です。しかしながら、タイミングや投入規模を誤れば黒字倒産につながるおそれもあります。

工場の拡大やそれに伴う大規模採用といったケースでは、投資に見合った売上増加を実現できず、設備投資を回収できなくなり倒産に至る場合もあります。また、設備資金を借入に依存した場合は返済や金利の負担も重なるため、さらに資金繰りが圧迫される可能性も出てくるでしょう。

過剰経費によるもの

経費の膨張による支出(キャッシュアウト)の増大も、黒字倒産の要因のひとつです。

人件費・通信費・各種仕入・地代家賃といった営業上不可欠の経費が増大しており、かつそれらの支払いサイトが回収サイトより短い場合、手元のキャッシュが不足することも考えられます。

一般に、過剰経費によるキャッシュ不足は慢性化することが多いため、意識的に対処できなければ常に黒字倒産のリスクと隣り合わせの経営になりかねません。売上高だけを追求するのではなく、経費にも目を向けて節減する姿勢が求められるでしょう。

人手不足によるもの

人件費の高騰とは逆のケースで、人材不足により仕事が回らず、黒字倒産に至るケースも存在します。

例えば、会社の大規模な方針転換や合併・事業売却などのケースでは、既存の従業員の大量辞職が起こることがあります。また、人材不足を補うために急募をかけても、すでに広まった風評により求職者が集まらないという場合もあるでしょう。

人材が不足すればあらゆるフロント業務・バックオフィス業務が機能不全を起こし、さまざまな観点から会社の運営に支障をきたすことから、キャッシュフローの状態にかかわらず倒産してしまうのです。

黒字倒産の事例

黒字倒産の事例

上述したTSRのデータからも分かる通り、黒字倒産の事例は、国内企業を見渡しても決して珍しいものではありません。ここでは具体例として、典型的な黒字倒産を経験したケースをご紹介します。

黒字倒産の事例

不良在庫の増加により黒字倒産に至ったケース

この事例は、数字に現れにくい不良在庫の増加により黒字倒産に至ったケースです。

広島県を中心に不動産業を営み、売上高・経常利益は堅調だった企業でしたが、物件仕入のペースが販売ペースに先行していたことから、徐々に在庫物件が増加していきました。

ここまで解説した通り、在庫は損益計算書では棚卸資産として計上されるため、見かけ上は黒字です。しかしその裏では、販売できていれば営業損失として経費計上されるはずの「売上原価」を算入できなくなっていました。

もちろん実質的には物件仕入によりキャッシュが流出しており、折しも反社会的勢力との関係疑いが浮上し、各金融機関からの融資が途絶したことをきっかけに、黒字倒産へと至ったのです。

高額な商品仕入を融資に頼るケースが多い不動産業の落とし穴ともいえますが、こうした事例は小売業・卸売業などでも往々にして発生する可能性があり、マーケティングと在庫管理の重要性がうかがえます。

営業キャッシュフローのマイナスで黒字倒産に至ったケース

こちらの事例は、黒字に隠れた営業キャッシュフローのマイナスが倒産を招いた事例となります。

この事例の会社は福井県を本拠とし、倒産直前まで増収増益を見込む、決算上は文句なしの黒字商社でした。しかし実態としては、5期連続で営業キャッシュフローが大幅マイナスの状態を、金融機関からの融資による財務キャッシュフローのプラスで補っているという不健全な経営環境にあったのです。

そんな中、取引先でもあった中国の子会社で架空取引による粉飾決算が発覚、子会社は倒産します。親会社は総額700億円あまりの貸倒引当金を計上連鎖的に黒字倒産に至りました。

本業の売掛金回収の甘さや、子会社の与信管理の不徹底に加え、当時の金融機関における決算内容重視の審査体制についても、粗さが露呈した結果といえるでしょう。

黒字倒産のリスクを確認する方法

黒字倒産のリスクを確認する方法

では、以上のような黒字倒産のリスクを数値から事前に察知するためには、どのような指標を確認すればよいのでしょうか。ここでは多くの法人が作成している、決算書からわかる指標を3点ご紹介します。

黒字倒産のリスクを確認する方法

損益計算書で収支情報をチェックする

前提として、黒字倒産を防ぐために最も重要なことはキャッシュフローの把握です。そのため、前期の損益計算書(PL)・または期中の試算表からわかる収支状態だけで、現在抱えている倒産リスクすべてを把握することはできません

それでも、ある程度の資金繰りの指標とはなりうるのも確かです。例えば、売上高が確保できているのに最終的な純利益が薄い場合、営業利益・経常利益・税引前利益のどの段階で損失しているのかを把握することで、本業・営業外どちらに問題があるのかをある程度特定できるでしょう。

貸借対照表で自己資本比率を見直す

財務諸表のひとつ貸借対照表(BS、バランスシート)からも、やはりある程度には留まりますが、キャッシュの問題を把握することが可能です。貸借対照表を簡単に表すと、以下のような構造になっています。


資産の部・流動資産・固定資産・棚卸資産・有価証券その他
負債の部・流動負債・固定負債(短期・長期の借入金)
純資産の部・資本金・利益剰余金・自己株式など

中でも重要なのは、会社が投資家や金融機関等に返済しなくてよい資本である、純資産のうち自己資本がどの程度確保できているかという点になります。これは自己資本比率という指標から判定することができ、計算式は以下のとおりです。

自己資本比率(%)= 自己資本(純資産)÷(負債+純資産)×100

自己資本比率は、高いほど倒産しにくいとされ、業種にもよりますが、一般的には50%以上であれば安全性が高い会社とみなされます。反対に20%を割り込むと負債の割合が大きく、第三者に倒産の危険性ありと判断される場合が多くなります。

自己資本比率もまた、手元のキャッシュの有無を必ずしも反映するものではありませんが、会社が自由に営業活動に投入できる資産の余裕を知るうえで役立つでしょう。

自由資金比率と当座比率を確認する

3つ目の財務諸表であるキャッシュフロー計算書からは、期中のキャッシュの動きをダイレクトに把握することができるのが特徴です。企業の成長時期にも左右されますが、キャッシュフロー計算書はすべてがプラスであればよいわけではなく、大まかに下記のような構造となっています。

計算結果からわかること望ましい状態
営業キャッシュフロー本業の利益が出ているかどうかプラス(黒字である)
投資キャッシュフロー会社の成長につながる投資を行っているかどうかマイナス(投資に積極的)
財務キャッシュフロー会社の資産と、借入残高の増減マイナス(返済が進んでいる)

この3種のキャッシュフロー(CF)のうち、営業CF+投資CFを合計したものを「フリーキャッシュフロー」と呼び、会社が自由に使える資金を表しています。この値がプラスであれば、営業利益から成長投資を捻出してなお、資金が余っているということになり、本業が順調であると判断できるのです。

このフリーキャッシュフローと、貸借対照表の利益剰余金から算出できる安全性の指標として、自由資金比率が挙げられます。

自由資金比率(%)=(フリーキャッシュフロー÷自己資本増加額)×100

この指標が高いほど、利益剰余金の増加に占めるフリーキャッシュフローの割合が高くなります。すなわち、本業で得た利益を債務の返済等で目減りさせることなく、会社の内部留保として積み上げていることを示すものです。

また剰余金の積み上げとは関係なく、会社が現在支払いに充てられるキャッシュの割合がわかる、当座比率という別の指標も存在します。こちらでは資産の部「流動資産」のうち、現金・預金や売掛金といった短時間での現金化が容易な「当座資産」に着目し、以下の式で計算されます。

当座比率(%)=(当座資産÷流動負債)×100

この値が100%以上であれば、買掛金・短期借入金といった流動負債の総額を、即時に支払えるだけの当座資産が準備できているということになり、資金ショートのリスクが低い企業といえるでしょう。当座比率は一般的に130%以上あれば、より安全であるとされています。

黒字倒産を回避する方法

黒字倒産を回避する方法

このように瞬く間に倒産に至るようなリスクを回避するためには、どのような経営を心がければよいのでしょうか。気をつけるべき点は多岐にわたりますが、ここでは9つのポイントに絞って方法を解説します。

黒字倒産を回避する方法

回収サイトは短く、支払サイトは長くする

支払いサイト・回収サイトの調整を行うことで、取引先や営業規模を変えることなく、倒産を予防する効果が期待できます。

建設業が倒産しやすいとしてお伝えした通り、支払いサイトが回収サイトよりも短い場合、資金ショート・黒字倒産のリスクが高まります。対策として回収サイトはできるだけ短く、支払いサイトは長くしたいところですが、取引先企業の立場では両サイトの希望は正反対になるため、妥当な範囲で交渉しましょう。

それでも妥協点が見つからず、支払いサイトが延ばせない場合は、後述する後払いサービスを利用するのもひとつの方法です。中でも、「支払い.com」は非常に便利で幅広いビジネスシーンに対応できます。担保不要でオフィスにいながら60秒で資金調達を実現できる、オンライン完結型の資金繰り改善サービスです。

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自社の入出金状況をきちんと把握する

まずは自社のキャッシュフローを把握しておくことが、何よりの黒字倒産防止につながります。

キャッシュフローの可視化に有効なのは「資金繰り表」の作成です。形式は「試算表」と似ていますが、当月までにとどまらず、翌月以降についても入出金の予定を記入し、キャッシュが不足するかどうかを予測できるのが試算表にはないメリットです。

また、資金繰り表を作成する副次的な効果として、具体的なキャッシュの不足タイミング・不足金額を把握することができ、金融機関への融資打診の際にも業況説明がしやすくなることが挙げられます。

在庫管理を徹底する

在庫管理は、多くの事業者の頭を悩ませる問題のひとつです。特に納品までのリードタイムが長い商品では、市場の需要や情勢の変化を感じ取り、常に適切な在庫を確保し続けるのは容易ではありません。黒字倒産の例として挙げた不動産業は、その最たる例のひとつでしょう。

製造業における対策としては、サプライチェーンマネジメントを導入し、リードタイムを短縮するなどの対策が考えられます。小売業などでも、在庫管理にシステムを導入して滞留在庫を可視化しておくことが重要です。

複数の資金調達方法を準備しておく

資金繰り表により資金ショートの兆候が察知できたら、陥る前に対策を打つのがベターですが、資金調達のため金融機関に融資を申し込む場合、審査に時間がかかるだけでなく謝絶となる可能性もあります。

そのため、早めに融資を申し込むのはもちろんですが、複数の金融機関と取引しておく、融資が通らなかった場合の代替手段を考えておくなど、次善の策を打つことも検討しましょう。

短時間で資金調達しやすい方法としては、期日前の売掛債権を業者に買い取ってもらう「ファクタリング」や、期日前の約束手形を金融機関に持ち込み、短期の融資を受ける「手形割引」などが挙げられます。

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キャッシュフローがプラスになるような経営を行う

そもそも資金ショートに陥らないための総合的な対策としては、キャッシュフローの中でも特に、営業CF+投資CFのフリーキャッシュフローをプラスに保つことが重要になります。

とはいえ「経費を抑えて本業で売上利益を出しつつ、剰余金を超える過剰な投資を行わない」と整理すれば単純ではありますが、実行するのはなかなか難しいものです。まずは資金繰り表を作成して適切な販管計画を立てるとともに、経費の削減やこまめな資金計画の見直しを行いましょう。

また、売掛金の未回収が原因で営業CFが悪化している場合は、取引先の見直しに踏み切るのも手です。

資産を売却して現金化する

会社が保有する固定資産の中でも、稼働していない機械設備や雑草の生い茂る空き地など、事業で利用していないものを遊休資産といいます。

これら遊休資産や販売の見込みがない不良在庫は、いっそ売却してしまうのもひとつの方法です。導入コストや仕入れ値と比較すれば損をする可能性が高いですが、ただ持っていて税金だけが課されるよりは、動かせる手元のキャッシュを増やすほうが建設的でしょう。

これは、含み損を抱えて売却のタイミングを逸し、いわゆる「塩漬け」になっているゴルフ会員権や有価証券などについても同様のことがいえます。いずれにせよ資金化に一定の期間を要するものが多いため、緊急時に焦るよりは早めに処分してしまいましょう。

M&Aを検討する

不採算事業が原因でキャッシュフローの悪化が解消できない場合、保有資産のみにとどまらず、その事業の売却(M&A)も視野に入ってきます。

黒字倒産させないための一部事業売却に、あまりよいイメージを持たない方もいらっしゃるかもしれませんが、決して後ろ向きな選択ではありません。むしろ承継により第三者の手で不採算事業を立て直し、従業員の生活を守るだけでなく、売却益で既存の会社の存続を図ることにもつながります。

さらに後継者不在や人材不足など、即時の倒産には直結しなくても、いずれ重大なリスクとなる経営課題の解決策としても一考の余地があるでしょう。

急激な事業拡大は控える

成長投資は会社の拡大に不可欠なキャッシュアウトですが、過剰な投資はフリーキャッシュフローの悪化につながるため、あくまで利益の範囲内で捻出するのが理想的です。こと専門外の新規事業への投資においては、先述したような不採算事業と化す可能性もあることから、より慎重になる必要があります。

また、融資に頼った急激な事業拡大も同様のリスクを伴うだけでなく、債務や支払利息の圧迫による財務CFの悪化をも招きます。収益予測だけに注目するのではなく、会社の規模感や利益率をベースとして、それに見合った投資額・借入金額を設定することが求められるでしょう。

通常時から税理士に相談しておく

会社の財務関連の相談先として、決算書の作成を依頼している税理士を頼りにしている事業主の方も多いのではないでしょうか。

税理士は複数企業の案件にかかわることから、会社を傾けないための資金繰りや経営方針について、経験から自社に即したアドバイスを期待できるのは確かです。ただし職業上、目前に迫った資金ショート・黒字倒産に直接対応できるわけではありません。

長期的な経営の視点はあくまで経営者が持つべきものであり、税理士事務所はいざという時の駆け込み寺にはならない点には注意しましょう。

黒字倒産のリスク回避なら「支払い.com」がおすすめ

黒字倒産のリスク回避なら「支払い.com」がおすすめ

資金繰りや販売管理・事業拡大戦略の失敗から、どんな企業にも起こりうるのが黒字倒産です。黒字倒産の引き金は多岐にわたりますが、決算上の数字からは読み取りづらいキャッシュフローの悪化が原因となっているケースが多くあります。適切なフリーキャッシュフローの確保と、資金繰りの定期的な見直し、支払いサイトの調整などの対策を取りつつ、資金ショートによる黒字倒産の兆候を見逃さないようにしましょう。

融資やファクタリングといった緊急回避手段を準備しておくほか、ご紹介したような支払い延長サービスによる支払いサイトの調整も、平時・緊急時を問わない有効な対策となります。債務を負わずに資金繰りを緩和したい場合に上手く利用するとよいでしょう。

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※ここでは休日・祝日は考えないものとします。

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